H RESIDENCE

H 邸

デザイン 株式会社リアルクリエイション 小島 賢士
CG製作  モスグリーン
施工   のあ建築設計
撮影   アール・イー・エム 藪亀寛

プロジェクトの経緯

  •  当社デザインの歯科医院の患者で、その医院デザインを施主が気に入り、住宅を建てる際に当社に連絡をもらった。私たちにとっては非常に嬉しい始まりと言える。
  •  この物件の立地に立った時、ほぼレイアウトは決まっていた。南東に開けた立地で、南東面は建物が建つ心配もなく、良質な日光と風が取り入れられる。そのことをふまえ、南東面の角を開口で1間づつ開いた恰好が一番しっくりいくレイアウトになった。そしてこの物件最大の特徴となるのが、廊下がないことである。角居室に入るコアの部分に和室兼廊下を配した。いわば日本古来の住宅のかたちである。この部屋は通路でもあり、玄関に近い来客の場であり、リビング拡張の空間であり、洗面所に隣接する部屋干しの場であったりと、多機能な様相を見せることができる。この古風なレイアウトを若い夫婦が気にってくれるかが鍵であったが、問題なく受け入れてくれたのは施主の英断であった。
  外観
片流れの屋根で、平屋で構成。アプローチはモルタルのスロープでまっすぐに登るシンプルなデザインである。 
  リビング(昼)
 南東面を90度に開口をとり、新鮮な光と風を取り入れるよう設計している。対角上にコアになる和室があり、西側縁側とつながり風のルートをつくる。
 リビング(夜)
リビングの照明計画は薄暗く、多灯を常とする。夜過ごすことの多いリビングは、ほんのりとした灯が心地よい空間になる。ゆっくりとした時間でくつろいで欲しい。
  ダイニング
南東角地の良い場所で食事を楽しめるよう設計した。奥には和室へ入る90度建具が光と風のルートをつくる。
  中央和室
玄関、リビングダイニング、子供室、主寝室、洗面所と全ての部屋につながる和室。目的に応じ、室と室とをつなぐよう使う。玄関とつなげば来客用に。リビングとつなげば風の通り道に。子供部屋とつなげば遊び場に。広縁とつなげば洗濯物の室内干しに使える。いわば古来から伝わる、家族がいつも繋がっている古き良き日本の生活を、イメージして貰えばよいだろう。
 玄関
玄関も大きな割り切りを施主に依頼した。それはシューズクロークをオープンにすることである。細々と部屋を区切ると、コストもかかるし風通しも悪くなる。そして、レトリバーを飼っているので、家族の一員であるワンちゃんも家の中で生活させたかった。そこで土間である玄関はうってつけの場所になる。そのため床はモルタルで水洗いができるよう排水もとっている。いわば玄関兼納戸兼犬小屋と思っていただきたい。こうやって目的に応じた機能を組み合わせて割り切ると、効率的な空間ができあがるのである。
 
 平面図
 
  屋根伏図、立面図
 
  立面図