FREADIA TAKATORI RESIDENCE

フリーディア高取レジデンス

デザイン 株式会社リアルクリエイション 小島 賢士 
照明設計 株式会社モデュレックス
撮影   アール・イー・エム 藪亀寛

プロジェクトの経緯

  •  計画地は閑静な住宅街で周辺に進学校も多く、地下鉄にもほど近いことからから福岡市の中でも特に人気の高いエリアに建つ。今回は少ない戸数の集合住宅であるが、そのぶん邸宅のイメージが創りやすく、ステイタス感をいかに感じさせるかがポイントになった。
  •  ファサードはエントランス前だけをしつらえるのではなく、間口いっぱいを使ったしつらえを提案した。それこそゴミ置き場もファサードの一部としてデザインしている。鉄骨むき出しの梁が間口いっぱいに貫き、それが水平を強調し、石張りの壁が垂直を強調して存在感をアピールする。鉄骨の梁はエントランス部分において、庇となって住居者を邸内に導く。それは木貼りの軒先が方向性を出しているからである。
  •  オートロック操作盤に今回はエイジング処理をした鉄板を使用している。鉄板のエイジング加工は、野ざらしにした鉄板のサビ具合を、鉄のアーティストが頃合いを見て磨き塗装するという、鉄の素材ながらまるで着物の染工程のような処理を行うものである。エイジングされた鉄板は1枚として同じものがなく、どこか人を惹き付けるものがあり、見ていて飽きない。
  •  木貼りの重厚な自動ドアを入ると、コンパクトなホールが奥に導く。照明は石を浮かび上がらせ、絵や飾り付けの小物がささやかながらホールにエッセンスを加えている。それは、絵に使われている色は、全てエントランスホールにある素材の色で出来上がっているからである。
  •  今回のコンセプトは隠れ家的な邸宅である。このことから「奥行き感」「むき出しの素材」「明暗」など原始的な感性にうったえかけるデザイン効果を多用したプロジェクトである。

🔍大きい画像を見る

外観 

外観を構成するタイルは、層状に構成することで、まるで地層のような様相を得ることができた。濃いグレーのボーダーがアクセントになり、手すりのグレーと呼応している。

🔍大きい画像を見る

外観

石張りを浮かび上がらせる照明が、垂直の壁に立体感のアクセントを与えている。石は厚みのある素材である。厚みを感じると、人は上品さや崇高な印象を感じ取る。このことからも、石を照明でライトアップすることは、需要なことがわかる。

🔍大きい画像を見る

ファサード 

横一文字に貫かれた鉄骨の梁が特徴である。この梁が間口に一体感を与え、ファサードにボリューム感を感じさせることに貢献している。

🔍大きい画像を見る

ファサード

エントランスや駐車場の照明が浮かび上がらせる空間は、ファサードにボリューム感を与えている。エントランスから伸びる深いひさしは、奥行き感を生み出し、惹き付ける一要素となっているが、これは今回のプロジェクトで風除室を撤廃したことによることが大きい。風除室を無くしたことで、視線のとまりがなくなり奥行き感を演出しているのである。マンションは風除室を作らなければならないという既成概念があるが、このように風除室がない方が効果的に場を演出できるケースがある。

🔍大きい画像を見る

 アプローチ

左手に石。天井に木。右手に植栽。いたってシンプルな構成である。照明も無駄な照明は一切なく、全ての照明に意味がある。暗い部分や明るい部分を意図的に作り出す手法は、原始的な手法で、人間の遺伝子が反応する手法である。逆に明暗の少ない空間では人は未来的な印象を感じ取る。今回は隠れ家的な邸宅がコンセプトだったので、意図的な明暗を作り出す空間を意識した。

🔍大きい画像を見る

 オートロック操作盤

エイジング加工をした鉄板を使い、ビンテージ感を出している。今回は鉄のほか、石や木など自然素材をそのまま使うことを意識している。

🔍大きい画像を見る

 オートロック操作盤 

照明効果で空間が劇的に艶やかになる。ガラス越しに石がつながっているので、空間につながりが生まれ、奥行き感を生み出している。

🔍大きい画像を見る

自動ドア

自動ドアは木を貼っている。この木はエントランスにおいて重厚な印象を生み出すことに一役買っている。薄い木の色でも堅木の重厚さを感じさせるのがオーク材の良いところである。ここでは意図的に圧迫感を感じさせるようにしている。
 

🔍大きい画像を見る

自動ドア 

自動ドアが開くと開放的な空間が顔を覗かせる。自動ドアの重厚さが開いたときの良さも引き出しているのである。このように圧迫感を感じさせたり解放させたりすることで、同じ空間でも違う空間演出ができる。
 

🔍大きい画像を見る

石張りの壁

石張りの壁にすることで、重厚感をだすとともに、今回はトンネル状の引き込みも意識している。重厚な部分と開放される部分の対比は、それが顕著であればあるほど劇的になる。
 

🔍大きい画像を見る

石張りの壁

ファサードを作っている石張りの壁は、そのままエントランスホール奥まで続いている。同じ照明のピッチが良いリズムを生み出し、これも奥行き感を出すことに一役買っている。
 

🔍大きい画像を見る

ホール

非常にミニマムな空間で、様々な要素が交錯している。たとえば石を浮かび上がらせる照明は天井付近にまとまり、オブジェが並ぶひときわ照明効果の高い部分は壁面下部を浮かび上がらせて、左右で照明の視覚高さを意図的に変えている。床面通路を照らし出す照明は1台もない。
 

🔍大きい画像を見る

ホール 

絵を浮かび上がらせるためだけのピックアップ照明を1台確保している。オブジェを浮かび上がらせる間接照明とペンダントライトだけで構成している。 
 

🔍大きい画像を見る

ホール 

絵の顔料はすべてこの空間にある素材の色でできている。これは絵の色を分析して空間素材を決定したからである。絵にシルバーが少し含まれているが、それはオブジェのシルバーで補った。 
 

🔍大きい画像を見る

ホール

洞窟感のある空間は回帰的な情景を呼び起こしてくれる。それは荒々しくも優しい印象の自然素材が空間演出に貢献しているからである。
 

🔍大きい画像を見る

ホール

シンプルな空間構成において、素材が持つ表情は重要不可欠な要素である。またその表情を浮かび上がらせるのは光の効果のみである。今回は明暗の多い原始的な照明効果で、素材を浮かび上がらせ、詩的な空間に仕上がった。

CONTACT

お仕事のご依頼やご相談、ご質問等がありましたら お気軽にこちらからお問い合わせください。
TEL : 092-408-4674(福岡ワークショップ) TEL : 03-6894-7564(東京ブランチオフィス)
東京ブランチオフィス不在の場合、福岡ワークショップに転送されます。